不定期連載・百�阨ｶ学散歩

第一回：中野金剛寺

　御存知の方も多いと思うが、百�關謳ｶのお墓は、東京中野の金剛寺、岡山国富の岡山寺の二カ所にある。
　今回は中野の金剛寺に行って来た。
　理由は簡単、東京在住の人間にとっては金剛寺の方が近いからである（笑）。

　西武新宿線新井薬師駅を降り、二十分程南へ向かい、寺の密集地帯に入ったら、一本横の路地へ入る…というちょっと分かり難い場所に金剛寺がある。場所はこ ちら（Yahoo地図）。
　この密集地帯には、忠臣蔵でお馴染みの吉良上野介の墓、板倉重昌（島原の乱で戦死）の墓がある寺がある。
　
　金剛寺は、こう言っては失礼だが、思っていたよりはこぢんまりとしたお寺である（ちなみに曹洞宗だった）。
　金剛寺に着いたものの、肝心の墓所が無い。
　馬鹿なと探してみると、寺の敷地内ではなく狭い道一つを挟んだ所にあった。
　看板も何も出ていないので、ちょっと分からないが、良く見ると、置き引きに注意してほしい旨書かれた看板がある。そこには「金剛寺」と書かれており、こ れで分かった（確かに狭いし、こんな所へ入ってくるのは墓参り以外には考えられないから油断しそうだ。そこが置き引きの狙い目なのだろう）。
　念のため言うと、百�關謳ｶのお墓がある旨書かれた案内板の類なぞは無い。知らなければ多分分からない。お墓自体、内田百�閧�匂わすものは句碑位のもので ある。

　ちょうど、お彼岸の時期なので、墓所に鍵などはかけられていない。実に良い時期に来たものである。もちろん計算して………いるはずがない（爆）。

　いささか落ち着かない気持ちで中へ入って、暫く探すとありました！見覚えのある百�關謳ｶのお墓が。
　早速、撮影…の前にお線香をあげて撮影に入ったのでした（ちなみに、線香に火をつけている時、誤って「根性焼き」をやってしまった…）。

正面の図
右の石碑は、摩阿陀会が百�關謳ｶの三回忌に建てた句碑

墓石のアップ
「百�閨vではなく「内田栄造之墓」と刻まれている

句碑
「木蓮や塀の外吹く俄風　百�閨v
手前に見える白いのは「御名刺入」

句碑全体像（右下が少し切れたけど…）
後ろに見える墓石（仏様が彫られたもの）に写真では分からないと思うが「内田こい」と彫られているので、後ろがこひ夫人 の墓だろう（確認するのを忘れた）
位置関係は百�關謳ｶの隣になる

見ての通り卒塔婆
こんな物まで撮ってバチでも当たらないかと心配だが（笑）、良く見て欲しい
平山三郎氏が頼まれた卒塔婆である
流石に中村武志氏のは見つからなかった（当たり前か）

　写真を見ての通り、晴れ、それも暑い日なのだが、真っ昼間にもかかわらず、風がちょっと強く「カタカタ」と卒塔婆がぶつかる音が不気味。しかも自 分一人しか人がいない。「出る」とすればこれ程絶好の機会はあるまい。
　はっきり言って怖かった。
　更に付け加えると、実はカメラも持っていって、同じようにパシャパシャ撮ったわけだが、うっかりしていて戒名が書かれた面（墓石右側面）をデジカメで撮 り忘れた…。
　その内現像に出すので、それをデジカメで撮影するかスキャナで取り込むなりしてアップします。
　ますます重くなるなぁ…。申し訳ない。

　感慨が無いという訳ではないが、思っていたより小さなお墓だった。しかしお墓とは言え、やはり尊敬する人のお墓。「自分はこんなとこにいていいのか？」 とある意味で居心地が悪かった。
　やはり生者、それも縁無き者は速やかに立ち去るべきと考え、最敬礼をして百�關謳ｶの墓所を後にした。

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